暮しの器 「むぎわら」の日記

元「暮しの器むぎわら」店主の独り言

中川自然坊さんのご逝去

中川さんはかねてより病気療養されていましたが、昨年の12月にご逝去されました。
享年58歳とのことです。まだこれからというのにとても残念です。
近年は渋谷の黒田陶苑さんで個展も再開されていたので、少し回復されていたのではと思っていたのですが。
私が初めて中川さんの器に出会ったときの驚きは今でも鮮明に覚えております。
土、焼はもちろんすばらしいのですが、なんと言っても圧倒的な存在感です。土から生れてそのまま器になったような感じで、やわらかく温かみがありしかもとても使い易いのです。
いわゆる民芸品がだめになっていく中で、私にとっては生きた現代の民藝だったのです。
ぐい呑み、徳利、茶碗はもとても魅力的なのですが、私が特に好きなのは普段使いの器たちです。
大胆にして繊細まさに料理を美味しくする器(このブログに時おり登場)です。中川さんの天性のものを感じます。
中川さんのご冥福をお祈りするとともに器の楽しさを教えていただいたことに感謝いたします。そして彼の器に学びそれを引き継ぎ発展させる方の出現に期待したいと思います。

(お店で使っている粉引きの湯飲み、そば猪口 コーヒー碗として使うことが多い)

(お店で使っている茶碗)