暮しの器 「むぎわら」の日記

元「暮しの器むぎわら」店主の独り言

普段使いのほんものの漆器を求めて

わたしたちの生活の中で、一番使われていない器はほんものの漆器だと思います。
漆はその特性から縄文時代から使用され、また焼物の器が普及するまでは多くの漆器が使われてきました。
しかし、現代ではまがい物は使われていても、ほんものの漆器はあまり使われておりません。本来の漆器は、時間をかけて木に漆を塗り丈夫にして人間が使えるようにした器です。言わば自然からの贈り物です。
理由はいろいろある(扱いが面倒、値段が高い、特別なもの等)と思いますが、ほんものの漆器は、最低限の扱いを守っていただければ、普段使いをしても丈夫で扱い易いし、使っているうちに不具合が生じても修理をしながら長年使えます。そして何よりも安全で美しく安らぎを与えてくれます。そんな意味では必ずしも高価すぎるとは言えませんし、現代風にいえばエコ商品でもあります。しっかりした生活用具を修理しながらまた育てながら長年使っていくことは、物を大切にする心を育みますし、また日本の伝統的な知恵でもあります。
当店では漆器をもっと普段に使って欲しいとの想いで、作り手の方々の協力を得ながら品揃えをしております。
相田啓介(会津)・・・お椀、スプーン他

菊地克典(信州)・・・浅鉢、スプーン他

野口義明(木曽)・・・弁当

きん齋(山中)・・・茶托、浅鉢